金成 郁弥(青森県)
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墨の色の変化が出せるようにしました。糸へんも角をつけて工夫しました。

■ 寸評 ■
青い海と黒く濁った海を想わせる墨色の変化に大震災に揺れ動く心を見せている。文字に籠められた思いが犇々と伝わってくる好作品です。
 希望の朝

村杉 千代子(千葉県)
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希望の朝が清清しく迎えられたらどんなにいいだろうと思って書きました。

■ 寸評 ■
心を落ちつかせ白い半紙に向かう軽やかな緊張感が、朝の清々しい情感に結びついて迷いの無い運筆が見事です。心の豊かさを感じます。
楽しいよ!!

本藤 智保(長野県)
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学校の授業でやった書道がとても気に入ったようで、太い筆をいっしょうけんめい振り回して、毎日作品を書きました。意味のある文字にはなりませんが、本人の気持ちを表していると思います(母)。

■ 寸評 ■
非常に楽しい作で心の昂揚が紙面一杯に溢れています。力強い線は生き生きとした生気を十分発揮して心強く思います。元気な姿が窺える作です。


平岡 章太(大阪府)
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心が一つになるように二本の筆で書きました。

■ 寸評 ■
たっぷりの墨量で豊饒の海を思わせる作で大変伸びやかな線に惹かれます。悠揚迫らぬ大きな運腕は温かく伸びやかな線に結びつきました。


林 佳奈子(鳥取県)
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強く吹き抜けていく風のイメージを表現しました。風の迫力が伝わるよう、身体全体で筆を運びました。

■ 寸評 ■
強く勢いのある線で表現された作品で緩急のリズムに優れたものがあります。軟毛の特性を上手に利用して書き上げた力は本物で見事です。


熊本 千恵子(大分県)
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群青の海に浮かぶ船は夏の風を受けて帆を揚げる。どんな楽しい事が待っているのだろう。さあ出航だ!

■ 寸評 ■
楽しい風です。軟毛の小気味良いタッチが白帆に風を受け、満帆とした船を思わせる作で一幅の絵を見るようです。明るく澄んだ線質が見事です。
一弗為張元祖造像記 「歩轝郎張」

小林 博之(札幌市)
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■ 寸評 ■
しっかりとした臨書作品で六朝像造記をよく勉強しています。長い習練の賜物である線の強さを見せていますが、この線を生み出す努力と気力は驚きです。この精神力があれば怖いものなしですね。
わたしの夢

田中 琴絵(仙台市)
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施設で月2回「すずめ踊り」の練習をしています。今年は春のあおば祭り、夏のすずめ踊りで皆さんの前ではじめて踊りました。

■ 寸評 ■
淡墨のニジミの美しい作です。字形のゆがみが作品に動きを与えてのどかな風景の一場面を想わせます。遅筆がこのニジミを上手に出してます。


山田 宗輔(静岡市)
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自分の苗字でもある“山”を書きました。来年高校生になるので、大人に近づくためにも挑戦しました。富士山みたいに雄大にかけました(母)。

■ 寸評 ■
紙面一杯にどっしりとした山が配置されて気宇の雄大さを感じます。日頃見慣れている富士山が心象風景として存在している様子が窺えます。
若山牧水の歌 <ひとすぢの…>

上田 智恵美(広島市)
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墨色の濃淡に気くばりしました。(意味:一すじ糸のような白い雪が、富士山の嶺に残っているのが、しみじみと心に染みる。この六月の晴れわたった空に。)

■ 寸評 ■
若山牧水の歌を大きな運腕で書きあげた力に敬服します。流れや散布の妙を見るに感性の豊かさと共に習練の長さを感じさせる見事な作です。
第27回 障害者による 書道・写真全国コンテスト